はんこギャラリー
Pick Up!!
2008年の夏、子供達の招待で南紀に銀婚式を祝って旅行した時、昔から一度訪れてみたいと思っていた那智の滝で偶然買った一冊が33所を解説した本だった。那智大社の隣に妙に古い寺だなぁと思いながら歩いていたら「一番礼所」と書かれた札が目に止まり、何かの入り口に立っているような気がした。
その年の春に東京からのあるお客様から実印の依頼があったのだが、私の提案した印稿が上手くなかったので仕事はもらえなかったことがあり、この後ずっと自分の気持ちの中に未熟さを痛感することが長く続いた。
「良い先生についたはずなのに、どうしてこんなにヘタなのですか」という一言が非常に心に残っていたので、また勉強しなおすきっかけを捜していたところ、青岸渡寺、西国1番札所に出会った。
どうせ掘るならいろいろな書体でやってみようと思った。
日頃の仕事ではあまりない、行書、草書、行書古印、草書古印や、今でも苦手な隷書、二重の子持ち枠、店頭の注文ではめったにない古文など、修業時代のやり直しの思いで始めました。
全国に大社、神宮、宮といわれる大きな歴史のある神社があります。多くは5世紀から8世紀の頃に総研されたもので、御神体も神話の時代のものであり、物語としても日本の創世記の歴史としても興味をそそられます。現代の日本人は信仰心が希薄になっているように思いますが、古代の日本人の信仰心の高い生活を知ると、今日、何かと考えさせられるように思います。
昨年は西国三十三所の仏教の寺を彫ってみましたが、今年は、68カ国の一之宮を彫ってみようと思います。
神話の時代の神様同士の戦い。恋愛、兄弟喧嘩、作物への感謝、平和への願いなど、創建された理由は様々ですが、どこを訪ねても心が落ち着くのは、どちらでも共通しているように思います。
参考文献 全国「一の宮」徹底ガイド
PHP文庫 恵美嘉樹 著
作品・稽古彫り一覧
東北地方太平洋沖地震復興祈願之印
印文:東北地方太平洋沖地震復興祈願之印
印材:柘・1寸5分角
密刻「永受嘉福」
彫刻の修業を始めて3年目の年、初めて密刻に挑戦しました。デザインに1カ月半、荒彫りに1カ月半、仕上げに1カ月を要しました。自分が修練を重ねた力量の成果を試す良い機会になりました。
印文:永受嘉福
印材:柘・1寸2分角
辻村浜夫25歳の作品
第2回全国印章技術競技会2位(木口密刻の部)
第三回全国印章技術大競技会 労働大臣賞受賞作品
労働大臣賞受賞作品
印文:特別天然記念物丹頂鶴保護委員会
印材:柘・1寸2分角
昭和55年8月23日
瑞泉 辻村浜夫
瑞泉、稽古彫
印材:柘・丸太、柘・5分角
十二支古文
古文で十二支を彫りました。
印文:子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥
印材:柘・2寸角
蔵書印_菅原道真
印文:菅原道真蔵書
印材:柘・1寸5分角
漢詩_辻村良一郎作
印文:
竹は風雪に逆らわず
節は艱難に耐え
その頂きは天空に達す
根幹は大地を抱く
印材:柘・1寸5分角
模刻_日本銀行券
代表的日本人
大日本国璽
印文:大日本国璽